スキーの滑り方

【図解】スキー検定1級「小回り」合格に向けた集中講義!ズレ・ターン弧・トップが重要

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スキー検定(バッジテスト)の小回りのコツと合格ポイントについて解説しました。

今回はスキー検定1級の種目で苦手にするスキーヤーも多い整地「小回り」について解説していきます。

そもそも小回りって難しい!」「何を意識したら良いか分からない」というスキーヤーも多いですね。特に普段スキー検定を受けないゲレンデスキーヤーは馴染みがない種目なのではないでしょうか。

実は僕も小回りを習得するまでに3シーズンほど時間を費やしました。同じような境遇の方も多いと思いますが、慣れない滑り方なので仕方ないですよね!

とはいえ、この記事を読んでいるあなたは2級までの小回りはマスターしているはず!合格に向けて、自分に何が足りないのか?何が必要なのか?を意識するチャンスです。それでは丁寧にひとつずつ見ていきましょう!

とその前に、絶対的にポジションの意識が必要になります。小回りでも大回りでも、滑っている間はずっとポジション維持です。あと、腕を広めに構えるのもコツ。まずはスキーの基本姿勢「ポジション」を徹底図解【最重要!必死で学べ】から確認してみてください!

目次

スキー検定1級小回りの定義

1級小回りは正式にいうと、基礎パラレルターン小回りです。

大回りと違い、最初に「基礎」とついているのがポイントです。つまり、基本的な小回りをしっかり見せてくださいね!ということ。オーソドックスな小回りを見せていけば良いわけです。

そして斜面は急斜面となっており、ゲレンデの中〜急斜面で検定が実施されます。

さらに!ナチュラルバーンということで、整地だけど、他のスキーヤーやボーダーが滑った後の荒れた斜面やアイスバーンなど、さまざまなゲレンデコンディションの中で演技をする必要があるわけです。

まとめると、当日の天気などにより色々なコンディションが想定される急斜面で、普段と変わらず基礎的な小回りをしっかり見せてね!ということですね!

スキー1級小回りのコツ:ズレ

まず初めに、1級検定ではズレを生かした滑りが大事です。

ズレってなにー?という方に言うと、ズルズルザザーッとなるような、滑った跡が半月形になる滑りのことをいいます。

ズレを使った滑りは、スキーのトップが通ったラインの外側をテールが大きく回っていくイメージです!このトップとテールの軌道の違い=「ズレの量」で、雪面をエッジで削っていく面積です。つまり削れば削るほど雪面抵抗が生まれ、スピード制御できるという仕組みです。

斜面に2本のラインが残るカービングとは違い、スピードコントロール要素の強い滑り方です。つまり、スピードをちゃんとコントロールしながら、かつ綺麗に、安全に滑り降りる技術が必要になってきます。

では、ズレを伴った滑り方とは?

ズレを使った小回り3ステップ

それでは、具体的な滑り方について、「ズレ」を中心に見ていきましょう!簡単に3ステップにまとめました。まずはひとつひとつの動きを体に覚えさせるために、少し大きめのターン弧で滑ってみてください!

①上側の足に体重を乗せる

まずはターンに向かっていくときの動きです。

斜面に真横になって立った時に上側になる足に力を入れます。この時、できるだけ、つま先寄りに体重を乗せましょう。難しい方はブーツの前側にスネを押し付けるイメージを持ちましょう!

このステップをちゃんと行うかどうかで、ターンの前半が変わってきます。1級以上においてはターン前半ができているかどうかは、検定員がよく見ているポイントなのでしっかり意識すること!

②外足主導でターン

上側の足に「つま先よりで」体重をかけたらそのままターンしましょう。

トップから回しはじめて、スキーのテール側軌道を描くイメージで回していきます。エッジで雪面をなぞっていく感じです。バターナイフでパンにバターを塗るように雪面を優しくなぞっていきます。

このとき意識するのは、スキー板のトップを支点に外側に向けてテールを押し出しながらターンすること。足を外側にグーッと伸ばしていきながらターンしましょう!

軌道を見ると三日月型のターン弧ができているはずです。

③ニュートラルから外足に体重を乗せてターン

ターン終わりには両スキー板がぴったり揃うタイミングが来るはず。その時がいわゆるニュートラルというポジションになります。

このとき、両足のスキー板の裏面が雪面に対してピタッとくっついている、つまりフラットになっていることを確認してください!

こんどは逆足で①〜②の同じ動作を行います。上側の足に体重を乗せてズレのあるターン。ニュートラルを経て逆足に体重を乗せていく…ひたすらこの繰り返しです。

スキー1級小回りのコツ:ターン弧を意識しよう

1級ではC字のターン弧を意識しましょう!

2級までの小回りでは、横滑りの連続ターンでも合格できます。つまり、ターンの後半でズズズーッと止めていくターンです。この場合、ターンの後半で一気にずらしていく滑りってことになりますね。ターン弧は平行四辺形に近い形になります。

一方、1級ではC字のターンを左右均等に作らないといけません。では、どうしたら綺麗なターン弧になるのでしょうか?

答えは、ターン前半〜中盤でずらしていく滑りです。ズレの項で説明した通り、横に立った時に上側に位置する足に体重を乗せてターンを開始するのがポイント。これによって、ターン前半からスキーに重さを乗せて滑っていくことができます。

そして、自分の滑った後のターン弧は丸くなるはず。Cの字を左右に連続で重ねたような綺麗なターンの跡が残っているはずです。左右の滑りを合わせると、ターン弧はC字を2つ重ねたS字になっているでしょう。

スキー1級小回りのコツ:スキー板トップの動き

スキー検定2級と1級を分けるポイントの1つは、スキーのトップが動いているかどうかです。

トップが動かない滑り、つまりテール側だけが動く滑りは、ワイパー滑りと言われる滑り方で、カービングスキー登場前の滑り方となります。「ひねり」中心の滑りなのですが、これだと綺麗な弧が描けず、カービングスキーの性能が活かしきれないんですよね…。つまり点数が出にくいです。

1級検定では、正面から見た時にスキーのトップが左右に動く滑りを意識しましょう!

テールだけを動かすのではなく、スキー板全体に乗って、大回りのサイズを小さくしたような丸いターンを繰り返していくイメージです。

ターンに入る前に上側の足に体重をしっかり乗せて、かつ、つま先寄りに押していく。ターン終わりには足の真ん中〜かかとよりに体重を乗せてターンを仕上げる感じです。

そのほかのコツ!

基本的にはズレ、ターン弧、トップの動きを意識すれば合格点は取れます。ただ、1 級以上を目指すのであればそれ以外にも気をつけたいポイントがいくつかあります。さらっと触れておきましょう!

体は「ある程度」正面をずっと向く

1級検定においては、体の向きを完全に真っ正面にする、必要はありません!

板をトップから左右に均等に動かす必要があるため、体を完全に真っ正面に向けるのは困難です。

ただ小回りである以上、「横滑り」のポジションのイメージで若干の捻り動作を使いながら、ある程度体の向きを固定する必要がありますね。ざっくり、真っ正面に対して左右45°程度の体の向きの切り替わりなら問題ありません。

また、腕を広く構えるのも大事です。正面から見た時に、広げた腕のラインが常に水平になるように維持すると体の向きも固定されますよ。

積極性も見られている!

2級までと違い、スピード感も必要なのが1級です。

ズレのあるターンで滑るものの、あまりにも横の動きが多すぎて、横から横へスピードを落としていくような滑りは評価されませんので気をつけてください!

スキー板を真横に向ける瞬間を作らず、切り替えの時(ニュートラル)においてもスキーは斜め下方向=傾斜がついているイメージを持つと良いですね!

腰から板を押し出すイメージでレベルアップ!

ワンランク上の滑りをしたい!フォームを綺麗にしたい!という方は「腰から板を押し出すイメージを持ちましょう。

テクニカルなどでは、スキーと体をできるだけ離しながらコントロールする滑りが評価されます。1級でこのポイントを意識できれば加点も狙えますよ!

ターン前半、ターンに入ろうかな〜というタイミングで、切り替え時に突いたストックを支点にしながらググーッと外足をターン外側に押し出していきましょう。ストックの周りにスキーで大きな丸い円を描くようなイメージです。この時もパンにバターを塗るように雪面をサーッと撫でていく感じです。

そしてターン中盤から後半にかけて板のエッジを立てて少し押す!押すことにより板の反発が生まれます。この反発から生まれた推進力を次のターンに繋げていきましょう。板がギュンッと返ってくるので、その動きのままターン前半で外側のスキー中心に雪面を撫でていき=ずらしを行い、またエッジング…この繰り返しです。ターン弧は、前半に半月型、中盤〜後半にかけて2本のラインが残ると思います。

動きが大きい分、少し大きめに落差をとると綺麗な滑りになりますよ!

試してみて「ダメだこれ、暴走するわ」という方は実践する必要ありません。暴走は原点要因なので、とにかく安全に…滑ってください。

ずっとブーツ前側にスネを押し当てる

小回りでは基本的にずーっと前寄りのポジションで滑りましょう!つまり、スネをブーツの前側に押し付けるイメージをずっと持つ、ということ。

前寄りのポジションということは、スキートップが固定されるということなので、スキーのテール側がよく回ります。つまり操作性がぐんと上がるんです。

また、上級者の小回りってなんだか体幹がしっかりしていて安定感抜群に見えませんか?実は、スネをブーツ前側に押し付けて滑ることで足首がガッチリ固定されるので、周りから見ると安定感ある滑りに見えるんです。スキーの操作性も上がり、見栄えも良くなるので重要ポイントですね!

ひとつひとつの滑りを丁寧に

1級検定では、最初にストックを使って漕いでいく必要もクローチングを組む必要もありません!切り替わりでスキー板を真横にしなければ、スピードは滑っていく中で自然と上がってきます。

とにかく意識するのは、1ターン1ターンの滑りを着実にこなし、それを検定員に見せていくことです。無駄な1ターンはありません。確実に丁寧に滑ってみてください!

まとめ

ひとことでまとめると、ターン前半からズレを使って丸いターンを描く!これができればトップがよく動く綺麗な滑りになります。とにかく焦らず、ひとつずつ動きをブラッシュアップしていけばOKです。きちんと動きを意識しながら滑走回数を重ねれば自然とできるようになります。あなたの1級合格、心よりお祈りしております!

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