スキー検定1級のスキーヤーが初心者の時に抱きがちな恐怖心について実体験を交えて解説します。
初心者がまず最初に克服すべきもの、それは恐怖心です。
スキーが怖い!という気持ちがあるとどうしても動きが硬くなり上達の妨げとなってしまいます。そこで今回は、何で怖いと思うのか?(=原因)と、どうしたら怖くなくなる?(=対策)の2つの項目にわけて解説して行こうと思います。
目次
スキー恐怖症の原因は3つ
スキーが怖い!と思う理由は大きく分けて3つあります。それぞれに対策をしていくことで恐怖心は最小限に食い止められますよ。さあそれでは1つずつ見ていきましょう。
スキーが怖い理由①スピードをコントロールできないから
ほとんど全ての初心者スキーヤーに共通する恐怖ポイントはこれでしょう。
スピードをコントロールできない、そして止まれない。
まず前提として、スキーはスピードがでるスポーツです。競技スキーになるとMAX時速250kmにもなります。通常のゲレンデで滑っている以上、200km超えはさすがにないですがそれでも体一つで滑るのでスピードコントロールができなくてリフトの鉄柱にぶつかったら…とか他のスキーヤーに衝突したら…とか崖から落ちたら…とか考えちゃいますよね。
特に最初はハの字で止まるのもおぼつかないレベルですので、そのレベルで上級者コースに行ったら確かにめちゃくちゃ危険です。考えるだけでもゾッとしますね…。
でも安心してください。僕も最初はスピードに付いていけずめちゃめちゃ怖かったのですが、上達するにつれ、むしろスピードを楽しめるようになります。もっと速く!もっと速く!とスピード狂になって行くので自身の上達にこうご期待です。
スキーが怖い理由②高くて急だから怖い
これも初心者あるあるです。初心者が上級コースを上から見下ろしたときに「え、崖じゃん…」と絶望します。滑っている感覚と上から見たときの感覚って結構差があるんですね。
高所恐怖症のスキーヤーにもなれば地獄です。リフトに乗っても怖いし滑る直前も怖いし…。ずっと怖いです。
じゃあ、なんで急だから怖いのかというと、スピードコントロールが出来ないから怖い!ってのが大きいです。イメージしていただきたいのですが、たとえどんなに急な斜面だったとしても、ゆーっくりノロノロと滑ることができれば怖くないですよね。
高所恐怖症の人がジェットコースターに乗ってもトロッコくらいゆっくり進むって事前に分かっているんだったらまあ我慢できますよね。それと同じです。
スキーが怖い理由③転んだら痛い
雪ってふわふわしているイメージありますが踏み固められ圧縮された雪は別です。転ぶと割と痛いです。しっかりアザになります。なので初心者スキーヤーが転んだときに思ったより痛くてトラウマになるっていうケースがよくあります。
ただ、初心者の時は誰でも転びます。どんなに運動神経が良くても転倒します。なので転んで恥ずかしいってことはないです。転んであざを作るのはある程度覚悟した方が良いでしょう。自転車と同じで転びながら上手くなるので最初の関門だと思ってください。
それでも一番怖いのは、急斜面で転んでズザザザ~ゴロゴロ~と転がり落ちることですよね。僕も経験ありますが急斜面をハイスピードでかっ飛ばしているときに転ぶとゴロゴロゴロゴロひたすら止められずに転がり落ちていきます。
でもですよ…!ハイスピードじゃなかったらそこまで転がることもありませんし被害は最小限にとどめられます。
つまり!スピードコントロールがしっかりできれば最悪のケースは避けられるってことです。
スキー恐怖症の対策は2つ
ここまで「なんでスキーが怖いの?」という「原因」についてみてきましたが、どの原因にも当てはまるのが「スピードコントロール」でした。
スピードを思うようにコントロール出来ないから、急斜面を派手に転がり落ちたり、派手に木に当たってクラッシュしたり…。そんな悪い想像が働いちゃうわけです。それではこのスピードコントロールを始めとした、怖くなくなる方法を解説します。
スピードコントロールを身につけよう
まず初心者が身に着けるべき必須スキル「スピードコントロール」について見ていきましょう。急斜面では特にスピードを抑えながら斜面の下方まで滑りきることが重要です。とはいえ初心者だから具体的にどうやって滑ったら良いかわかんないよー!という方に向けてスピードコントロールできる滑り方を2つお伝えします。
大きく分けて2つ、マスターして欲しいスキルがあります。
ハの字 (プルーク/ボーゲン)
スキー初心者が最短ルートでスピードコントロールをマスターするためには、まずは緩斜面で「ハの字」の特訓をする必要があります。どんな斜面でも安全に滑り下りることのできる最強のスキルといったら「ハの字」です。
プルークやボーゲンと言われることもありますが、スキー場でよく見る、足の間に三角形を作るフォームのことですね。基本的には、足の間にできた三角形の底辺の長さを長くする(テールを開く)ことでスピードがゆっくりになります。
重要なのは、正しいポジションで練習することです。具体的には、足首と頭を結んだラインが板に垂直のポジションを意識することと、両太ももを内転させること。この2点を意識することで安定したスピードコントロールが出来るようになります。詳しく知りたい方は【完全攻略】スキーの「正しい」プルークをマスターしよう(ハの字・ボーゲン)をご覧ください!
ジグザグ走行
両足を揃えて斜面にまっすぐ滑る「直滑降」をすると、めちゃめちゃスピードがでます。アルペン競技などでもこういった滑り方をしてスピードを出しています。
では、スピードを落とすには?逆をすればいいんです。つまり、コースの横幅をいっぱいに使ってジグザグに滑っていく。これならだいぶスピードを落として滑ることが可能です。
ハの字と併用すればもう怖いもの無し!初心者の方はできるだけターン数を多く滑ることを意識してください。
徐々にステップアップしていこう
なんだかんだこれが一番大事かもしれませんが、まあつまり、身の丈に合ったコースを滑りましょうということです。
まずは平地でフォームの確認と立つ練習、緩斜面で滑って止まる練習、中斜面でターンをしながら緩急つけて滑る練習。と、順を追ってステップアップしていくと最も効率よく上達できます。
衝突や転倒といったリスクを回避して安全にスキーを楽しむためにも、徐々にステップアップしていくことが重要です。
まとめ
初心者のうちは上手にスピードコントロールが出来ないから怖いと思いがちです。なので最初はスピードを抑えて滑る練習を重ねていきましょう。また、スキーヤーによって成長速度にも違いがあるので自分のペースでゆっくり徐々に上達していくことを心掛けてください。これでやるべきことが分かったと思います!案ずるより生むが易しってよく言いますが、まずはゲレンデに飛び出して実践あるのみです。一緒に頑張りましょう!