元スキーインストラクターが、「初心者」「中級者」「上級者」など、スキーレベルの見分け方についてまとめました。
「今のあなたのスキーレベルは?」
スキー場のレッスンを受けたり、友達とスキー旅行に行ったり、スキー検定を受けたりするとほぼ確実に聞かれる質問です。
でも全くの初心者ならきっと、どこからどこまでが初心者で、どこからどこまでが中級者…などが分からない方も多いのではないでしょうか?
一人で滑ることが趣味のソロスキーヤーの僕もかつては、スキー場でレッスンを受講するときに「自分ってどのレベルなんだろう…?」と悩んでいました。
スキーレッスン受講の際に記入する用紙には「大回りで滑り降りてこられる」「ハの字でプルークターン…」などの言葉が躍っています。でも、特にスキーを始めたばかりの初心者の方は、「大回り」「小回り」などの専門用語も知らないわけで、なおさらレベルの把握に困るんですよね…。
趣味としてスキーをしていく上で、客観的に自分の滑りレベルを見極めて把握しておくことも結構大事だと思います。
というのも、自分の実力がわかると、目指すべき姿や足りない技術が鮮明に描けるようになるからです。
ということで今回は、イラストを交えながら具体的に「初級者」「初心者」「中級者」「上級者」の区分について解説していこうと思います。
目次
スキー初心者 (Lv.0)の定義
まず、はじめにはっきりさせておきたいのが、初心者<初級者です。
初心者は読んで字のごとく「初めての心を持った人」なので、「初めての級を持っている人」よりも位が低いです。
初歩の中の初歩の段階。つまり「ぬののふく」を着て街を出たところ。スライムを倒す前で、町の地形もモンスターの強さも知らない、ほとんど知識がない最弱状態を指します。まずは装備を装着する方法を教えてもう段階です。
スキーで言うと、本当にスキーを履いたことがなく、履き方もリフトの乗り方も、右も左もわからない!という人のことですね。まずは板の履き方から勉強しましょう
初心者が目指すべきゴール
初心者が目指したいゴールは、緩やかな斜面をゆーっくり、スキー板を大きく開きながら(ハの字もしくはプルークと言います)降りてこられるレベルです。
大事なのはスピードコントロールです!足を開いたときにできる三角形を大きくするか小さくするかでスピードを意のままにコントロールできたら初心者卒業です。
ぎこちなくてもターンできるようになると「初級者」へとクラスアップできます!
スクールに入ってグループでのレッスンを受講するとしたら「初心者クラス」があるスキー場で練習しましょう。スキー板の履き方や外し方、ゲレンデの歩き方、リフトの乗り方などを教えてくれます。
大抵のスクールにはこの「初心者」向けレッスンがあるので安心してください。
・足のかかと側を開くブレーキング要素の多い滑り方:プルークorハの字
⇔足を揃えて滑る:パラレル
スキー初級者 (Lv.1)の定義
この段階では、スキーの履き方は覚えた!リフトも乗れる!しかもゆっくり慎重になら滑れる!
でも、「ハの字」で滑るワンパターンの滑り方しかできないんだよな~…。
というレベルのスキーヤーを指します。
緩やかな斜面を滑り下りられるスキルが必要です。まだまだぎこちなくてもOKです。
「初級者」にランクアップしたスキーヤーがスクールに入る場合、たいてい、ハの字でターンを描きながら緩やかな斜面を滑り降りる反復練習から始まります。
つまり、ターンをブラッシュアップしていく練習です。
初級者が目指すべきゴール
では、目指すべき姿は??
それは、「斜面の上から下まで全部は無理だけど、一部分なら足を揃えて滑れるよ!」です。
具体的には、ハの字で滑ることに慣れてきて、ゲレンデを横に滑るときはパラレル、ターンして曲がるときだけ足が開くといった感じです。
この滑り方をスキー用語で「シュテムターン」と呼びます。
・ターンをするときにプルーク(ハの字)、それ以外はパラレルになる滑り方…シュテムターン
スキー中級者(Lv.2)の定義
ターンで足が開くシュテムターンになっちゃうけど、緩斜面~中斜面くらいなら全然滑り降りられる!足もそろってきた!というレベルです。
中級者レベルになると、ゲレンデのほとんどの斜面を滑って降りられるはず!幅が広がってどんどんスキーが楽しくなってくる段階です。
中級者が目指すべきゴール
足を揃えましょう。シュテムターンではなく、完全なパラレルターンを目指します。
レッスンでは、さまざまなバリエーショントレーニングを通して、足を閉じて滑る練習が中心になるはずです。
中斜面くらいなら足を閉じて滑れる、さらには急斜面でもなんとか足を閉じて滑ることが出来るようになったよ!というあなたはパーフェクトです。上級者の仲間入りです。
上に書いたような「中級者のゴールが見えてきた!」という方は、スキー検定2級を目指すと良いと思います。
検定を通して具体的な称号を追いかけるとやる気も出てきます!目標意識があると、趣味のスキーにまた違った面白さを発見できるはずです。
スキー検定2級の受験方法や合格のコツはこちらで解説しています。
スキー上級者(Lv.3)の定義
パラレルでなんとか急斜面まで滑れる!という方は上級者です。頑張ればスキー場の全斜面を制覇できるはず!ここまでくるとめちゃめちゃスキーが楽しく思えるはずです。
結構ハマってきたな~って思った段階でスキーウエアのデザインにこだわってみても良いと思います!
ウェアの選び方とか個人的に激推しするブランドは初心者スキーヤーに贈る!スキーに適した服装は?選び方&ウエアまとめから
また、このレベルの方で時間があるのならリゾートバイトでも十分に戦力になりえます!個人的にも学生時代にやっていたのですが、スキーレッスンをしながら空き時間で先輩のインストラクターに教わったり自主練習したり…そんなことが無料で出来ます。しかも給料も入るし…!結構おいしいお仕事です。
上級者が目指すべきゴール
パラレルをさらにブラッシュアップしていきましょう。誰が見ても綺麗な滑りを目指すとともに、どんな斜面状況でも滑れる適応能力を身に着けていってほしいと思います。
上級者スキーヤーは、板の上に乗る際に力を加える方向=ポジションも意識してみましょう!
スキーに乗るときに前傾姿勢すぎると詰まった印象の滑りになり、へっぴり腰イメージを持たれます。逆に後ろすぎるとスピードコントロールが難しくなってしまいます。「ポジション」って意外と大事です。
さらに、上級者まで来れば、今度は滑りのバリエーションを広げていく作業も必要。
小回りやコブ斜面など、上級者スキーヤーにはまだまだ習得すべきことがたくさんあります。
スクールによっては「コブレッスン」「小回りレッスン」など滑りのスタイルごとにレッスンを設けている場所もあるので、上手く活用していけると良いですね。こういう、小回りやコブなど滑りのスタイルごとのレッスンは上級者になってから受けるのが1番効率が良いです。結構いきなり急斜面に連れていかれたりするので…。
そしてスキー検定を目標とする方は、1級を目指してください。1級はある意味、上級スキーヤーの証なので、あなたが上級レベルに居るということが正式に保証されます。「俺1級だぜ!」とか言うと「すごーい!」「かっこいい!」と言われる確率が結構高いです。自慢できるのでおススメです。
小回りやコブの滑り方・スキー検定1級合格のポイントや流れはこちらで詳しく解説しています!
まとめ
自分の今のスキーレベルを知ると、具体的な目標が立てられるようになります。スキースクールのレッスンも活用してどんどん次のステップを目指してスキルアップしていきましょう!