スキーの滑り方

スキーの基本姿勢「ポジション」を徹底図解【最重要!必死で学べ】

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元スキーインストラクターがスキーの正しいポジションについて解説していきます。

スキーレッスンを受けていると、インストラクターの人にあー…ポジションが悪いねーとかもう少しポジションを意識しよう!とか言われたこと、ありませんか?

僕はスキー検定を10回以上受け続けた(そして落ち続けた)のですが、死ぬほど言われました。

でも具体的なポジションについてきちんと説明されたことって意外とないんです。「いや、そのポジションとやらについてもう少し具体的に説明してくれよ!」と心の中で何度叫んだことか…。

正直、よくわかんないですよね?

ということで今回は、冬季以外のオフトレでも練習できる「正しいポジション」について勉強していきましょう。

【この記事でわかること】
①スキーの正しいポジションとは
②ポジションNG例
③ポジションの練習方法
④実際に滑る際の正しいポジショニング

 

目次

スキーの基本姿勢「ポジション」とは?

そもそもの話ですが、「ポジション」って具体的にどういう意味?という部分から解説していきます。

Position[名]:位置、姿勢、場所

上記の通り「ポジション」とは、スキーをしている時の姿勢であり、スキー板に乗るときの適切な位置を意味します。つまりこういうことです。

「ポジションが悪い!」=「スキーに乗る姿勢が悪く、ちゃんとした位置に乗れていない!」

では次に、「正しい」ポジションとはどういう意味か考えていきましょう。

スキーにおける正しい力のかけ方

スキーの世界では、まっすぐ真上からスキー板に力をかけるのが、もっとも力の伝達効率がよく、少ない力で安定して滑ることが出来ると言われています。

そして、スピードを殺しすぎず、適度に抵抗もある…という、コントロールしやすい位置でもあります。

ちょっと想像してみてください。あなたは今、スキーで斜面を下っています。

かかとに重心を置いて後ろから前方向に力をかけてみます。すると、力が前方向に集中しすぎてしまいます(前に進む慣性・推進力+前への力:暴走の原因)

逆に、前から後ろに向けてつま先で力をかけると、前に行こうとする推進力とケンカしてしまい、前に詰まりすぎてしまいます(抵抗が強すぎる:どん詰まり感)

つまり、程よくスピードをコントロールしながら滑れる「真上から力を加えられる体勢」こそが「正しいポジション」なのです。

正しいポジションで滑ることのメリットとしては、

  • 暴走しないようになる
  • キレイなS字のターンを描けるようになる
  • スピードコントロールがしやすくなる
  • どんな雪質でも安定感のある滑りができる

などなどです。スキー検定3級レベルのレッスンを受けた方ならわかると思いますが、だいたい皆さんイントラに指摘される点って、ここら辺じゃないですか?
ほとんどのスキーヤーに共通する悩みだと思います。

そのすべてを解決する糸口になる万能特効薬のようなものなので、まずは正しいポジションを徹底的に体に覚えさせましょう。

具体的なポジション=姿勢については次の項で解説します。

スキーの正しいポジション

スキーの正しいポジション

結論から言うと、「スネの角度と背中の角度が平行になり、かかとと頭を結んだ線が地面と直角になる姿勢」を正しいポジションと呼んでいます。

まずはその場でやってみましょう。1人で行う際は鏡の前に立って、ひとつひとつ動きを確認しながらやってみてください。

  1. まず、肩幅に両足を開きます。
  2. 自分がスキーブーツを履いていると仮定して、膝を曲げてスネの傾斜をつけます。だいたい60°くらいになるはずです。
    同時に、スネと同じ角度になるように背中を傾斜させます。
    1~2の動きは同時に行いますが、頭が真下にスッと落ちるイメージです。
  3. 鏡で横から見て、頭とかかとを結んだ線が地面に対して垂直になっていたらOKです。

両手は新聞を読んでいるイメージで広く開いておきましょう。

よくあるNG例

  • 背中が猫背になっている
  • お尻が必要以上に突き出している

正しいポジションを取ると、最初は太ももが相当きついはずです。

「え、本当にこれで合ってる?」と思うかもしれませんが、しんどいということは、その体勢で合っているということです。安心してください。

室内で出来るポジション練習方法

初心者が正しいポジションを身に着けるため。また、冬季シーズンはバリバリ滑っているスキーヤーの皆さんが初心に帰って動きの確認をするために、室内で出来るポジション練習方法を見ていきましょう。

ワンミニッツキープ×3回

スキーのポジション練習

簡単にできて、かつ筋力アップにも効果的な練習です。

名前の通り、60秒間正しい体勢を維持したままキープするというもの。

これ、ぜひやってみていただきたいのですが、簡単そうに見えて意外ときついです。休憩を挟みながら3回。これを1セットとして、1日1セット頑張ってみましょう。

終わるころには太ももがパンパンになっているかもしれません。最初こそつらいものの、何回も繰り返すうちに、「スキーで正しいポジションを取るための筋肉」が付いてくるので、そこまで疲れなくなってくるはずです。

ジャンプしてポジション作る

スキーのポジション練習(ジャンプ)

ゲレンデを滑っていると、ボコボコしていたり、不整地であったり…、さまざまなコンディションのバーンを経験すると思います。そんなときに、体勢を崩してもすぐに正しいポジションにリカバリーできる力を身に着けるための練習です。

やり方としては、鏡に対して真横に立ちます。まず正しいポジションを取って、そのまま上方向にジャンプ!そのまま着地します。着地したタイミングで鏡を見て再度正しいポジションが取れているか確認してください。

これを何セットか行い、毎回正しいポジションが作れるようになるまで繰り返しましょう。

ポジションキープでジグザグ飛び

スキーポジションの練習方法(ジグザグ飛び)

ポジションを維持するための練習です。練習2の応用編と言えますね。

ポジションをその場で作ったら、ジグザグにジャンプしながら前に進んでいきましょう

上下に加えて左右の動きが加わることで、難易度が上がりポジションが崩れやすくなります。そんな中でもきちんと正しいポジションを維持することで、実際のゲレンデでも体勢が崩れにくくなります

何度もやって慣れていきましょう。

実際に正しいポジションで滑ってみる

正しいポジションを習得したら、さっそくゲレンデへ出向いて実践練習をしてみましょう。斜面を滑っているなかでも、ポジションの意識をずっと持っておくことが大切です

ゲレンデでは、頭とかかとを結んだ線は斜面の角度に対して垂直になります。

このまま外足荷重でターンをしていきましょう。最初はわからないかもしれませんが、正しいポジションで滑ると、ターンマックス(ターンの一番外側になる、遠心力ががかる部分)で力を加えなくても気持ちよくすんなりターンが出来るようになります。

というのも、正しいポジションではスキーに対して力が垂直にかかるので、「体の重さ×遠心力」のダブルの重さがまっすぐスキー板に反映されるんです。結果として、効率よく力がかかり、気持ちよく曲がれます。

後傾にならないためには?

スキーのポジション

スキー検定を受ける中で僕はよく後傾と言われてきました。

中斜面くらいなら問題ないのですが、急斜面になるとスピードコントロールが出来ずに下方向に落ちて行ってしまうことが良くありました(これが世にいう暴走ってやつです)。

どうでしょう?あなたもそんな経験ありませんか?

「後傾」って結構多くのスキーヤーが悩んでいるポイントだと思うんです。ではどう解決したらよいでしょうか?

正解は、正しいポジションで滑ることに加え、母指球に力を入れておくと後傾になりにくくバランスが崩れにくいです。さらに、前に踏み込むことでスキー板の前方がバタつきにくくなります。「しっかりした安定感のある滑り」をするためにも大切なポイントです。

具体的に言うと親指でスキーを押し付けるようなイメージです。そして、すこーしだけ、スネをブーツの前側に押し付けるようなイメージも持っておくとさらに良いでしょう。でもこれやりすぎると前傾過多になってスピード感がなくなったりするので、何事もやりすぎは禁物ってことで。

ここら辺の力調整ができるようになるまでは、ひたすら滑りこむしかないですね!

あなたがスキーを徹底的に練習した結果、プライズテストを受けるような上級以上のレベルになると、「スキーの抜けを表現するために、ターンの仕上げではかかと側に重心を移動させて~」とか言われます。

が、初心者はひたすら母指球に荷重して滑り「スピードコントロール」を大事にしていきましょう。正しいポジションで滑っている限り荷重点の移動も簡単にできるようになるので、とにかく「ポジション命」ということを心に刻んでください!

まとめ

効率的に滑るためには「正しいポジション」を身に着けることが必要不可欠です。ポジションの練習は自宅でも出来ますのでぜひやってみてください。

「後傾」「暴走」「S字やC字のターン弧を描けない」など、よく聞くスキーヤーの悩みの数々を根こそぎ解決できる必要不可欠のスキルですので完璧にマスターしてください。それでは、正しいポジションを身に着けて良いスキーライフを♪

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