スキーの検定や授業を受けていて「あのさ~、君、ちょっとたわみがないね~」と言われたことのあるあなたに向けて、毎年色々なスキー場に足しげく通うスキー検定1級のスキー好きが「たわみ」について徹底解説します。
スキー初心者の方も読んでいると思いますので専門用語少なめでお届けします!
スキーの授業を受けていて「たわみが活かせていないね…」と冷たくあしらわれたことのあるスキーヤーや、たわみって何なの?と疑問を抱く中級スキーヤーは結構多いと思います。
僕自身もスキー学校に通うたびに『「たわんでない」って言われたって、じゃあどうすればいいの…?』と思っていたひとりです。「たわみ」「ベンディング」などの独特なスキー用語に戸惑う方も多いと思い今回、自信の持てる技術と経験を活かしてまとめました。
目次
スキーの「たわみ」とは何なのか?
「たわみ」とは、スキー板が沿って曲がることを言います。
例えばトランポリン。皆さんもイメージしてほしいのですが、トランポリンの表面を押すとグーッと下に沈み込みますよね?あれがいわゆる「たわみ」です。そして、下に沈んだ(反り返った)深さが深いほど、上に飛び上がる高さも増しますよね?この「反発する力」がスキーでも重要になってきます。
スキーも同様に、スキー板を押せば押すほど(たわませるほど)、跳ね返ってくる力も大きくなります。つまり、押せば押すほどスキーの強い「反発力」を使えるわけです。
・スキー板が沿って曲がること
・大きく曲がるほど跳ね返る力が大きくなる
「たわみ」の量はスキー板の硬さで決まる!
「枕」を例にとってみましょう!
『硬い=高反発、柔らかい=低反発』なように、スキー板もある程度は硬いほど高反発、つまり反発力が増します。ただ、逆に言うと、硬い分たわみにくい。硬いと押しにくいですよね?押すのに技術と力が必要だけど、たわませたときの力は大きいです。一般的に、硬い板ほど「たわみ」を作ったときに得られる力は大きく、また安定感も生まれます。
ただし!硬いだけではダメ。もう1つの重要な要素があるんです。
スーパーボールとかゴムって強く押せば押すほど跳ね返ってくる力が大きくなりますよね?このときに発生しているのが「弾力」です。石の板を指でグーっと押してもびくともしませんが、同じ厚さの木の板なら?跳ね返ってきますよね!
つまり強い「弾力」があればあるほど「反発力」が大きくなります。
スキーが木製なのもこういった理由からで、硬いだけじゃなく弾力性を持っている素材だからこそ強力な「反発力」を使えるんです。逆にふにゃふにゃの柔らかいスキー板の場合、押しやすさはあるものの、弾力性が少ない分、「たわみ」を作れても跳ね返ってくる力が弱く、「反発力」を使いにくいというマイナスの側面もあるんです。
こういったスキーの硬さ&弾力性を専門用語で「フレックス」と言います。
・スキー板に上から力を加えたときの硬さ&弾力のこと!
スキー初心者・中級者・上級者に適したスキー板とは?
スキーレベルごとのスキー板の正しい選び方とは何なのでしょうか?
その1つが先に挙げた「フレックス」です。どれくらいの硬さで弾力があるの?を表したものだと思ってください。硬くて弾力があるほど「フレックス」は高くなっています。
一般的に、スキーの「反発力」を生かす技術をマスターするのはなかなか難しく、スキーが跳ね返ってくる力をコントロールする技術の高さが必要です。「スキー板をたわませたはいいけど、めっちゃ跳ね返ってきてそのまま飛ばされた~泣」という初心者も多いですし、「そもそもの話、たわませられんわっ」って方も多いです。
なので、初心者の方は柔らかくて弾力性のあまりない「フレックスが低めの」スキー板を選びましょう。柔らかいスキー板の方がスキー板を押していく感覚をつかみやすいので、体重移動やポジションでスキーに圧をかける(=たわませる)テクニックを体得することができます。
逆に上級者スキーヤーは「フレックス」が高い硬い板を選ぶことで、板の反発力を最大限に利用しながら、気持ちよく安定してカッコよく滑ることができます。
基本的にフレックスは数値で表示されてはいませんが、テール側を地面につけて固定し、板のトップをもって中心部をグーっと押した時の曲げやすさでおおよそ判断できます。
お店のスキーコーナーに隣り合って並んでいる異なるスキー板を押して比べてみたら硬さの違いが分かると思います。中央部をそこまで強く押していないけどすんなり沈み込む板は柔らかく、押してもビクともしない板は硬い板です。
店員さんに「この板は柔らかいですか?初心者なんですけど…」と聞くのが一番確実ですね。ちなみに、個人的に思う「柔らかくて初心者におすすめなスキー板」はこちらです!
人気ブランドの軽量モデル「サロモン S/MAX 2」
僕も愛用しているSALOMONの機種で、初心者でも安定して操作できるスキー板です。柔らかいだけではなく、確かな弾力と軽さが魅力です!スキーを担いでスキー場を巡りたい皆さんにはとってもおすすめです。
持ち運びが楽なのはもとより、SALOMONならではの安定感も魅力です!雪面にピタッと張り付く感覚があるので、自分でたわませたり操作する感覚を安心してつかむことができます!さらに、日本向けに生産されているモデルなので日本の雪質や、日本人の体形に合わせているのでとにかく雪面にグリップして滑りやすい!
スキー業界でトップを争う人気ブランドの軽量スキー板。中級レベルでも問題なく使えるので、スキーレベルが上がっても買い替える必要なくずっと履けちゃいます。デザイン性も高くおすすめです。ぜひ試してみてくださいね♪
上級者ならみんなやっている!「たわみ」の上手な使い方とは
では具体的にすきーでは「反発力」をどう使うのか?それは、前に進む「推進力」に変えていきます。押せば押すほど前に前に進んでいく「攻めの滑り」ができるようになります!
スキーの世界では、スキーに力を加えると生まれる推進力を「走り」と呼んでいます。
この、スキーから跳ね返ってくる力を前に進む力に変えていく「スキーを走らせる技術」が上級者以上では必須になってきます。まさに、板を走らせられるか否かが中級者と上級者の分かれ目ですね!
では、どうやったら「走り」が出来るのか?この続きは別の記事で紹介していきますのでぜひ合わせてご覧ください!
まとめ
「たわみ」とは、スキー板を押したときに曲がること。押したときに跳ね返ってくる「反発力」を使って推進力を生みだす滑りを目指しましょう。初心者スキーヤーの方はできるだけ柔らかい板を選ぶと良いです。
上級レベルになればなるほど「たわみ」を制す者がスキーを制します!効率的にたわみを使って、傍から見て上手い滑りを目指しましょう!