初心者が最速で上達するために覚えておきたい滑り方のコツを元・インストラクターが図解しました。
初心者スキーヤーが最速で上達するために一番最初に覚えたいこと。
それは、『履き方』・『歩き方』・『ハの字』・『滑る姿勢』です。今までさまざまな生徒さんを見てきましたが、まず最初に徹底的に教えることはこの4点です。ここさえガッツリ練習して、あとはひたすら回数をこなせば、たった1日でも見違えるほど上手くなります。ゲレンデデビューを迎えようとしているスキーヤーの皆さまへ、スキーの基本の滑り方をまとめました。事前に読んで脳内シミュレーションをすることで上達に近づくはず…!ですので、一緒にひとつずつ勉強していきましょう。
目次
STEP 0 スキーを履く
まずは前段です。スキーの履き方をマスターしましょう。「そんなこともうわかってるよ!」という方は読み飛ばしてSTEP1へ進んでください。
スキー用具の名前
最初にブーツとスキー板の各名称を覚えることから始めましょう!スキーレッスンなどを受けると「バックルが緩いんじゃない?」など皆さん結構専門用語を使って教えてくれるので事前に覚えてから行くと安心ですね♪
ブーツの各名称
・バックル:留め具のこと。上級モデルのなるほどバックルの個数が多くなります。靴紐のような役割。
・ベルト:バックルを締めたうえで補強する役割。
・インナー:足を入れるところ。スキーブーツの中にある柔らかいパーツです。
・シェル(アウターシェル):スキーブーツの外側にある固いパーツです。
・ソール:足裏面を指します。
スキー板の各名称
・トップとテール:トップは上(つま先側)。テールは下(かかと側)。
・ビンディング:ブーツを固定する金具。
・エッジ:スキー板の両端にある3mmくらいの金属の部分
・滑走面:雪面に直に当たる、裏面の黒い部分。
ブーツの履き方
1. インナー前側に付いている取っ手をグーッと前方向に引っ張ります。
2.通常のブーツを履くように、1で出来たスペースに足を入れます。
3.足が入ったらバックルを留めます。「金具を外す⇒ギザギザの箇所に引っ掛ける⇒金具を留める」という順番です。バックルの締め具合は後でまた調整できるので、きつすぎない位置で仮留めしておきましょう。
4.ベルトを締めます。外側から前方向に引っ張り、足の内側にある通し穴を通して反転させてマジックテープで留めます。
スキーの履き方
1.ビンディングのかかと側を見てください。ビンディングが下がっていればOKです。
2.つま先⇒かかとの順にはめます。ブーツのつま先の出っ張っている部分をはめたらそのまままっすぐかかとをビンディングの上に置きます。かかと側にぐっと力を入れるとカチャッと音がして固定できるはずです。
STEP1 雪上の歩き方
スキーを履いたら次は歩き方をマスターしましょう。
スキーを履いて歩くということは当然普段歩いているのと感覚が違い、常に滑って行こうとするスキー板を止めながら歩くことになります。
雪の上で止まっているためには、エッジを正しく使ってスキーが滑るのをブロックすることが重要です。(え、そもそもエッジって何?という方はSTEP0を確認してください!)
結論から説明しますが、「斜面に対して垂直方向にエッジを食い込ませる」と止まることが出来ます。エッジで滑りをブロックしながら足場を作るイメージですね。
ポイントは、とにかく垂直にということ。なのでまずは、斜面がどっち方向に傾いているのか?を目で見て把握しましょう。その傾きに対してスキー板が横向きになるようにエッジで立つと滑らずに状態をキープすることが出来ます。
この横向きの体勢のままカニ歩きで最大10cmくらいの歩幅でちょこちょこと歩きます。この歩き方をまずはマスターしてください。
STEP2 斜面での止まり方
いきなりですが復習です!スキーで止まるためにはスキー板のどのパーツが大事でしょう?
A.エッジです。
ここのところ、大丈夫でしょうか。大事なことなので何度でも言わせてもらいますが、スキーはエッジに始まりエッジに終わるほどエッジの使い方が大事になってきます。斜面での止まり方は2パターンあります。ひとつはSTEP1で説明した横向きでの止まり方。
もうひとつは、「ハの字(プルーク)」で止まる方法です。特にスキーで滑っている中で止まるには、この「ハの字」が大事になってきます。
ハの字はプルークとも呼ばれ、スキーの先生なんかは「はい、三角形つくってー」と説明しがちです。「スキー板のつま先を閉じてかかとを開く。」この体勢のままエッジを立てて雪面に食い込ませるイメージです。太ももを内側に回転させる(内転)意識を持つと両スキーが同調して開いてくれます。
STEP 3 滑り方
いよいよ斜面を滑る段階です。
STEP2が出来るようになってから挑みましょう。滑り方はめちゃめちゃシンプルで、ハの字の姿勢のまま下りて行くだけです。
足の中にできた三角形を小さくすると(かかとを閉じると)スピードが出ます。逆に三角形を大きくすると(かかとを開くと)制動要素が大きくなります。まずはハの字のまま下方向へまっすぐゆっくり滑ってみましょう。
慣れてきたら練習として、足の閉じ開きで「ゆっくり⇒ちょっとスピード出す⇒ゆっくり⇒ちょっとスピード出す」を繰り返すと、足の開き具合とスピードの関係がわかってくると思います。
NGパターンは2パターンあり、①つま先側の板が重なってしまう。もしくは②かかと側の板まで開いて平行になってしまう。これだとうまくスピードコントロールしながら止まることが出来ません。
この2パターン、バランスが崩れる原因としては単に筋力不足が影響している場合と、ポジションが悪い場合があります。まずはすぐに直せる、この「ポジション」から解決していきましょう。
スキーでの基本姿勢《ポジション》は基本的に斜面に対して常に垂直です。この垂直のラインより体が前にあると「前傾過多」、後ろにあると「後傾」と言われバランスを崩したりスピードのコントロールが効かない原因となりますので正しいポジションで練習することが大事です。
STEP4 曲がり方
まっすぐ滑るスキルしかないと、前に人が居るときに避けられませんので曲がる方法も覚えておきましょう。
曲がるためには、外側の足に体重を乗っけること。これがすべてです。荷重・外向・外足・エッジング…なんかの難しい用語なんて必要ない、シンプルに外側の足に力を乗せれば曲がるんです。
正しく外足に力を加えるためには、同時に外側の腕を下げていくことも意識しましょう。腕を下げて足に重さをグーッと乗せていくイメージです。
こうやってハの字(プルーク)でスピードを落としながらターンすることを「プルークボーゲン」呼びますので余裕があれば覚えておきましょう。
STEP4 転んだとき
初心者の頃ってめちゃめちゃ転びます。一回の滑りで10回くらいは転びます。覚悟しておきましょう。んで本題ですが、転ぶまでは当然仕方ないとして、そこからどうやって起き上がるのが正解なのでしょうか?これを知らないで転ぶとオタオタします。
結論から言うと、転んだら常に「板を、斜面の傾きに対して垂直方向に体の下側に置く姿勢」を作ります。
斜面に垂直にする。これはSTEP2の「斜面での止まり方」の姿勢です。斜面で立ち上がるには、雪面にエッジを食い込ませて足場を作ります。エッジが雪面に食い込んだまま思い切ってグッと立ち上がるとうまく立ち上がれます。
まとめ
以上ざっくり5ステップで解説しましたが、これがベースになりますのでひとまず最低限頭に入れておいてください!一旦「ハの字」が出来るようになれば、なんとか斜面を下りてこられるようになるのでこれが上達への第一歩だと考えてくださいね。さあ、ゲレンデを颯爽と滑るプロスキーヤーへの第一歩、一緒に踏み出しましょう!