スキーを独学で習得した1級スキーヤーが、独学で上手くなる可能性や上達に適した練習方法について解説します。
皆さんは1人でスキーを習得することができると思いますか?
「まあ、滑るくらいできるっしょ」と強気な考えも、「いやそもそも滑り方知らねーし…何から始めりゃあいいんだ…」と悲観的な考えも大いに結構!今回は「独学」の可能性について解説していきます。
なお当方、かつてはスキースクールに通わず独学で滑り方を研究したことがあります。今ではスキー検定1級合格するくらいには成長いたしました。まあ、最初から最後まで独学かって聞かれたら、そうではないんですが…。ですので個人的には、独学スキーの可能性と限界、そして最短でスキーを上達する方法を熟知しているつもりです!
今回は4つのパートに分けて、独学のメリット、独学の可能性、独学スキーの具体的やり方、そして、独学スキーのデメリットを解説してまいります。
目次
独学スキーのメリット:節約になる
スキースクールに通うお金って結構馬鹿にならなくて、半日¥4,000~¥5,000とかします。リフト券だけでも¥4,000、いや高いところだと¥6,000とかするのに、レッスンなんぞにお金かける余裕ないわ!火の車じゃ!という意見はごもっとも。やっぱりなんだかんだスキーって高いんですよね…。
この観点から言えば、独学ほど経済的なことってないですよね?だってレッスン代が無料なんですもん。こりゃ、独学しかないな!と考えるのが自然です。
ましてや、たった数時間レッスン受けただけで本当に上手くなるんか?という疑念が生じる方も多いのでは?正直、「そんなすぐ上達すりゃあ苦労しないわ…」って思っちゃいますよね。
まあそんなこんなでスキースクールを拒んでいる初心者スキーヤーも多いことでしょう。独学=経済的。これは間違いなくメリットでしょう!
独学スキーの可能性:滑るくらいは難なくできる
独学でスキーを学ぶにしてもどこまで上達できるでしょう?独学でスキーを学んだ経験から言うと、「滑るまではできる」が答えだと思います。
つまり、自分流の滑り方で、ある程度スピードコントロールしながら滑ることはできるようになります。
具体的には、プルーク(ハの字)で滑ることができて、少しずつプルークからパラレルになって、スピードも出して滑れるようになると…。ここまではいけます。
そしてプルークを習得したら中斜面でも急斜面でもなんとか降りてくることができるでしょう。「ポジション」や「荷重」、「外向傾」などの応用スキルを独学で身に着けるのは少し難しいかもしれませんが、プルークを習得すればある程度の斜面適応能力が身に付きます。
プルークについて詳しく知りたいあなたは【完全攻略】スキーの「正しい」プルークをマスターしよう(ハの字・ボーゲン)へどうぞ!
独学スキーのデメリット:技術を磨くには客観的な視点が必要不可欠である
「なんだよ~独学って良いことばかりかよ!」と思うかもしれませんが、1点だけ欠けているものがあります。それは客観性です。
つまり、人に見てもらってアドバイスをもらう機会が決定的に欠けているんです。
ひとりで滑るということは、自分にしか判断基準がないということ。これがジワジワとあなたのスキー人生に響いてきます。
独学だと自己満足しがち
スキーに限らず勉強やスポーツなど、さまざまなフィールドで一般的に言われていることですが、独学って自己満足しがちなんです。
「よっしゃ!独学で勉強して滑れるようになったぜ!」と思って意気揚々と滑っているので、「お前、そのレベルか…まだまだだな」って言ってくれる人が居ないと、自己流のまま突っ走ってしまい成長が止まってしまうんですよね。
というのも、自己流の滑りに満足してしまうと、周りの目がどんどん見えなくなってきて、「今のままでいいっしょ!」と強気な感情が生まれることで、今以上のレベルを目指そうという意欲が減少して行くんです。
細かいテクニックが身に付かない
上級者以上になると、ある程度のテクニックがないと「あらゆる斜面を自由自在にすべる」ことができません。
例えば、急斜面でスピードコントロールをするにはどうしたら良いか?とか、デコボコの斜面を綺麗に滑るにはどうしたら良いか?などの繊細な技術を身につけなければ、斜面が変わるとお手上げ状態の「対応力のないスキーヤー」になってしまいます!
特に、正しい「ポジション」を身につけないと、カッコいい滑りが出来ず、対応力もイマイチです。
こうした細かいテクニックを身に着けるためには、独学ではなかなか難しく、上手いスキーヤーの助言が必要です。がむしゃらに滑りまくるより、プロに答えを教えてえもらった上で、反復練習を繰り返す方が上達への近道となります。
本当に「独学=経済的」か?
「独学=経済的」と言いましたが、長期的に見て本当にそうでしょうか?「いやお前が言ったんやろ…」と言われそうですが…。短期的には確かに節約になるんですが、長い目で見れば独学の方がお金がかかることもあります。
というのも、「独学だと成長に時間がかかる=何回もスキー場に通わないといけない」のですが、「スクールで教わると成長が早い=少ない回数で上手くなれる」。
つまり、同じレベルに達するために、リフト券のみで4回通うのと、リフト券+スクール代で2回通うのでは、スクールに通う方が安く済むんです!そう考えると…、スクールに通ったり、上手い友達と一緒にスキーに行くのも効率的だと思いませんか?
結論:独学とスキースクール活用のバランスが大事
個人的は3回スキーに行くたびに1回スクールに通うくらいがちょうど良いスパンかなと思います。スキースクールを受講してガッツリ学んだら、あとは2回ほどスキー場へ出向いて自分だけで練習してみるというのがおすすめ。
スキー上達のためには、自主練も必要不可欠です。なので、スクールに通って身に着けた知識を自主練で実践してみることも大事。スキー場に出向くたびに毎回スクールに行くばかりでは、知識だけ膨らんでいってしまいます。習ったスキルを使えなければ意味ないですよね。
結局、スクールで学んだことを生かして独学で練習してみる…その繰り返しが1番効率よく成長できるんです。独学とスクール(またはスキーが上手い友達)をうまく活用して、加速度的にレベルアップしていくのがおすすめです!
効率的な独学スキーのやり方:やれるとこまでやってみよう
とはいえ、独学でスキーを学びたいあなたへ。
哲学者フランシス・ベーコンは「知は力なり」という言葉を残しました。本を読んだり、人にたずねたりして知識や知恵を身に着けることは大事なことで、自分にとって大いなる力になるのですが、同じくらい知ったことを実践的にやってみることも大切です。
つまり、インプットした情報をアウトプットするプロセスこそ、成長に欠かせない要素です。独学で学ぶにしても、まずはスキーの知識を身に着けるのが大事です。
スキーの履き方や歩き方、ハの字で滑る方法…などなど基本的な知識を身に着けたうえでスキー場へ行きましょう。そして、雪上に立つ→歩いてみる→止まり方の練習→初心者コースでハの字で滑る…みたいに段階的にステップアップしていきましょう!
初心者向けの記事はこのサイトにたくさん貼っていますので参考にしてください!
また、役に立つ本も売っているので参考にしてください。特に基礎スキーの帝王「渡辺一樹」さんの本はフルカラー・写真説明・DVD付きととってもわかりやすく、僕は今でも定期的に読み込んでいるおすすめ教本です。必要なテクニックはほとんどすべて書いてあります。ぜひチェックしてみてください!
まとめ
独学だけで上級者以上になるには時間がかかります。最も効率がいいのは3回に1回、もしくはたまにスクールに通うスパンです。たまにはプロに客観的に見てもらって、自分が正しい方向で練習出来ているかを見てもらいましょう。
効率的に成長するためには、上手い人に客観的に見てもらうことと、教わったことをベースに自分で技術を研磨していく、その両方が必要です。
まずは知識をインプットしてスキーに備えましょう!