オールラウンドスキーやショートスキーなど、スキー板の種類についてまとめました。
ゲレンデに居ると、さまざまな形状のスキーに出くわします。スキーが短かったり、横幅が広かったり…。同じ「スキー板」でもこれだけ色んな種類があるのってなんだか不思議ですよね!
僕も子どもの頃なんか、目の前を横切るスキーヤーたちの足元を見ながら「なんだあのスキー!初めて見た…すげえ!かっけー!」と目を輝かせていました。
今回は、初心者スキーヤーの方も分かるように、イラストを使いながら、大まかな種類分けと、それぞれのスキー板の特性・使い分け方法をお伝えします。あくまでも見た目でだけの大分類ですので入門編としてご覧ください。
さあ、それでは詳しく見ていきましょう!
目次
スキーの種類①オールラウンドスキー
100人いれば90人超が思い浮かべるであろう、いわゆる「ザ・スキー板」。スキーヤーなら一家に一台は持っているであろう基本の1本です。150~180cmくらいの長さで中央部が凹んでいる(幅が狭い)タイプです。
オールラウンドのメリット
オールラウンドという名前の通り、どんな斜面でも滑り降りることができる基本にして最強のスキーです。「滑りやすさ・安定性・対応力」3拍子揃っており、大半のスキーヤーが履いているのもうなずけます。
スキー初心者の方は迷わずオールラウンドモデルを買いましょう。
スキーの用途によって形状が微妙に違う
基本的にこの形のスキーはどんな競技にも対応可能ですが、主にレース種目(アルペン)とデモ種目(基礎スキー)で使われています。そして上級者ほど硬い板を好みます。というのも、ハイスピードだとよく分かるのですが硬い板の方が安定感があります。スキーが雪面にグリップし、高い安定感で滑り降りることができるんです。
その反面、板の弾性があり跳ね返りが強いため、滑っている中で自由にコントロールしにくく、コースアウトしがち…。初心者が硬い板に安易に手を出すとちょっと危険ですね。
逆に、例えばフリースタイル。具体的にはモーグルなど動きがあって機動性が求められる競技には、どちらかというと柔らかい板が向いています。
また、U字状のコースを前に後ろに滑ってジャンプする「ハーフパイプ」で使うスキー板は大体オールラウンドと同じ形状ですが、スキーのテール部分が反りあがっています。後ろ向きにも滑れるように、前後対称なつくりになっているんですね。
このように、パッと見同じでも競技によってちょっとした違いが出てきます。スキー板って奥深い!
スキーの種類②ショートスキー
最近このタイプもちょくちょく見かけますが、短いタイプですね。100cmくらいなので通常の板の1/2とかです。このタイプのスキーを履いている人は基本的にノーストック!両手フリーの状態でスキーを楽しんでいます。
ショートスキーのメリット
板が短いということは、ものすごく小回りが利きやすいです。直線距離をハイスピードで滑るのには向かないものの、キュンキュン曲がりながら滑っていくのに適しています。混んでいるスキー場で人混みを避けていくのももちろん、普通のスキーではできない小回り主体の滑りを楽しむことができます。
また、「たわみ」や「キレ」を利用するのではなく、体でスキーを回していくようなスタイルなので細かい技術無しで、全身を使ってアクティブにゲレンデを駆け回ることができるんです。
さらに、板が短い分軽く持ち運びも楽!そのうえストックも必要ないので、車がなく電車移動主体のスキーヤーにとっては、持ち運びの苦悩から解放されるので嬉しい限りですね。
ショートスキーのデメリット
バランスが悪い。これにつきますね。スキー板が短いと前後のバランスが取りにくく、自由自在に操れるまでに時間が必要です。また、同じ理由でハイスピードの滑走にも向いていません。爽快感は少ないかな~という印象です。
スキーの種類③ファットスキー
ひと言で言うと、長くてぶっとい奴。170~185cmと身長以上の長さを誇り、中央部の凹みもないです。
どういう時に本領発揮するか。それは、新雪を滑っていくときです。多くのスキー場には非圧雪エリアがあり、降雪後はふかふかの雪の上を滑っていくことができます。こういったバーンコンディションでは無類の強さを発揮します。
ファットスキーのメリット
新雪を滑っているときの安定感と浮遊感が魅力です。
通常のスキーやショートスキーでは沈み込みやすい新雪も、サーフィンのようにふわふわと浮いているような感覚で滑り降りることが可能です。これ、通常のスキーではなかなか味わえない不思議な感覚なんですよね~。レンタルでファットスキーを用意しているところもあるので、大雪が降った後なんかは、1回レンタルを使ってお試しで履いてみてください。
ファットスキーのデメリット
デメリットと言えるほどの欠点は特にないです。
どこを滑っても安定感抜群なのですが、唯一アイスバーンは天敵です。エッジが効かずに落ちていきやすいです。ですのでファットスキーでアイスバーンはダメ絶対。めっちゃしんどいです。
スキーの種類④テレマークスキー(クロスカントリー)
幅が約7.3cmと細く、かかとが浮く珍しいタイプ。もっとも独特な形状のスキー板と言えるかもしれません。
そもそもテレマークって、雪の山岳地帯を歩いたり、起伏の激しい土地を長距離移動をすることがルーツにあるため、他の「滑る」スキーとは毛色が異なるんですね。
つま先のみが固定されていて、かかとが浮くので、スキーを履きながら歩くこともできます。また、スキー板の幅がなくて軽量なので歩きやすいんです。
テレマークのメリット
とにかく起伏の激しいコースを移動しやすいです。
坂を下るというより「坂をのぼる」&「平地を歩いて移動する」スポーツなので、上がり降りはとっても楽。スキーブーツも柔らかくて軽いので平地でも動きやすいです。
テレマークのデメリット
線が細くかかとが固定されていない分、やはり安定感には欠けます。特に高速域で滑っている中でのターンは激ムズです。滑っている中で安定した姿勢を維持し、スキー板を押さえつけるのには相当の筋力が必要です。
難易度は高く、普段使いするスキーでないことは確かです。
まとめ
ベースとなるオールラウンドスキー、機動力のあるショートスキー、新雪特化型のファットスキー、平地の長距離移動に向いているテレマークスキー。他にもありますが、スキーの形状で言えばだいたいこの4種類に分類できます。スキーに行ったらぜひ周囲を見回して色々なスキー板を探してみてください。きっとスキーの見え方が変わってくるはずです!